Gentle rain
無論、主体は森川社長の会社。

だがそれにアットホームな感覚を取り入れたいと言うことで、実際の家具を庭園におきたいと言うのだ。

「それを俺に手伝ってほしいと言うのか。」

「はい。仰る通りです。」


俺はその書類をじっと見つめた。

片手に携帯。

思いあまって、森川社長の携帯番号に、電話をかけた。

『はい、森川です。』

「社長、度々すみません。階堂です。」

『ああ、階堂君か。どうした?』

携帯に俺の電話番号を登録していれば、架かってきている時点で俺だってわかるだろうに。

そんな事を思いながら、昔の人間の気質なのか、俺に話を合わせてくれているのか、どれも森川社長なら当てはまると思った。

「書類、拝見致しました。新しい企画の。」

『ああ、あの書類か。どうかね。階堂君は賛同してくれるか?』

「はい。社長のお役に立てるのであれば。」
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