Gentle rain
「このお皿のセット、プレゼント用に包んで下さい。」

「かしこまりました。お待ちくださいませ。」

棚から品番を見つけ、メモ紙に書きとめると、裏の倉庫へ行き、在庫がないか確認する。

「あった。」

壊さないように、倉庫から出して、お客様が待つレジの前へと置いた。

「こちらでお間違いないでしょうか。」


お客様の返事を聞いて、また箱の蓋を閉じると、店長は目くばせで、私にレジに入るように指示をした。

“えっ?私でいいの?”と一瞬思ったけれど、せっかく新しい仕事を覚えるチャンスだし、私はドキドキしながらレジの前に立った。

スキャナーでバーコードを読み込んで、小計のボタンを押す。

「お会計、3,650円になります。」

お客様がトレーの中に、お金を入れる。

千円札が3枚、100玉が7枚。
< 41 / 289 >

この作品をシェア

pagetop