Gentle rain
ヤダ!

てっきり階堂さんは大人の方だから、プレゼントする相手も大人の女性だと思ってた。


「すみません。てっきり大人の女性だとばかり、思いこんでしまって……」

「ううん、いいんだ。誰だってそう思うよな。」

こっちが確認もしないで、勝手に思い込みで選んだのに、階堂さんは不機嫌な顔をするどころか、笑って許してくれて。


どうしよう。

階堂さんのそういう一面を見ると、もっとこの人の事を知りたいと思ってしまう。


私はそんな気持ちを抑えながら、一つのキャンドルに、手を伸ばした。

「グレープフルーツの香り等は、如何でしょうか。この香りを嗅ぐと、元気が出るって言われているんですよ。」

「へえ、いいね。じゃあ、それを貰おう。」

「……はい。」

棚の奥から箱に入っているキャンドルを取り出し、レジの前に階堂さんを連れてきた。
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