赤い糸
そして、冬休みが始まった。
とも君は塾に通っていた。
だから、塾の帰りに少し寄ってもらって、話をして帰っていく。
そんな日々が続いていた。
昼間は相変わらず、しんちゃんと遊んでいた。
しんちゃんも、全く受験勉強をしない。
私たちは、同士なのだ。
冬休みが終わる頃には、もう大抵の子達が私立の結果が分かっている。
誰が通って、誰が落ちたのか、全く興味が無かった。
そして、いつものようにしんちゃんと学校から帰っている途中で、とも君に会った。
気まづかった。
私としんちゃんと仲がいいのは知っている。
でも、それをよく思っていないようだった。
家に着くなり、電話が鳴った。とも君からだった。
「もう、受験勉強忙しいし、別れようか」
イヤイヤ、完全にさっき出くわしたことがきっかけでしょう。
とも君のことは好きだったが、引き止めることはしなかった。
どうせ、高校も違うところだし、今このままつきあっていても、そのうち別れるに決まってる。
だから、その場でお別れをした。