赤い糸

私たちの春休みは長い。

私はしんちゃんちに向かった。
しんちゃんから、「別れた」
その一言だけで伝わった。

のんちゃんと別れたのだ。その原因はやっぱり私だった。
どうしても、私からしんちゃんを取ることが出来なかったと。
のんちゃんのヤキモチだ。


しんちゃんは、平気そうだった。
むしろご機嫌に見えた。


「大丈夫?辛かったら泣いていいよ?」

そう言ったが、しんちゃんは、笑っていた。
話を聞いてみると、しんちゃんは、のんちゃんの事、冷めていたみたいだった。
ただ、自分から別れ話を出しにくくて放置してたらしい。

高校が別々になれば自然消滅すると思っていたみたいだ。

だから、のんちゃんから別れたいと言われても、痛くも痒くもないのだ。むしろ、ありがたかったと。


特に何かある訳ではないが、中学卒業とこれからも親友でいようと言う意味を込めて、缶チュウハイで、乾杯をした。

お酒は得意では無かったが、カッコ付けたい年頃だ。だから、形だけでもアルコールを飲みたかったのだ。
まぁ、私のはカクテルで甘いので飲みやすかった。
ちなみにしんちゃんもカクテルだった。


「後は、受験発表だけやね」






「もし、私が合格したら、野球部に入るよ。野球部に入ってマネージャーになるの。みなみちゃんになる!」


タッチが好きで、私は野球部のマネージャーに憧れていたのだ。


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