赤い糸
私の中で変化があった。
ボム先輩の事は大好きだった。
でも、やはりしんちゃんと居るのが楽しかった。
ボム先輩が楽しくないわけではない。
ただ、しんちゃんと居ると、素の自分を出せた。笑ったり怒ったり泣いたり。
ボム先輩の前では、どこか猫を被っている自分がいた。
だからこそ、しんちゃんといるのが楽だった。
こんな気持ちのまま、ボム先輩と一緒に居てもいいのだろうか?
私はしんちゃんに相談した。
正直に相談した。
しんちゃんと居る時が1番楽しい事。
ボム先輩の事は好きやけど、本音が言えない事。
そして、何故口走ってしまったのか分からないけど、もし、私が別れたらしんちゃん付き合ってくれる?って聞いていた。
しんちゃんは、付き合う、付き合う。絶対付き合う。
何度も何度もそう言っていた。
でも、別れ話なんて、なかなか言い出しにくい。
だから、私は距離を置いた。
紅茶の時間も女子チームの中で話したり、帰りも違う子と帰ったりした。
そんな日々を過ごしていると、さすがにボム先輩も気づいたのだろう。
あっちから、別れ話を切り出した。
正直ほっとした。
そうやって、私のファーストキスを奪った先輩とはお別れした。