赤い糸


私は次の日もしんちゃんの病院へ行った。
しんちゃんは、手術することになっていて、凄く怖がっていた。


しんちゃんが、ストレッチャーで運ばれる。
手術室に入る時もずっと私の顔から目を逸らさなかった。

手術は、2時間はかかるとの事。

私は心配でずっと手術室の前に居た。

そしたら、お母さんが「まるちゃん、うどんでも食べに行こう」と誘ってくれた。

私は食欲無かったけど、お母さんについて行った。

真夏で暑いのに、暖かいうどんを注文したことを後悔した。

お母さんは、涼しそうにザルそばを啜っている。

私たちが病院へ戻ると手術は終わっていたが、麻酔が聞いていてしんちゃんは、眠っていた。


お母さんはしんちゃんの顔を見て、安心したのか帰って行った。

私は暫くして、小さい声で「しんちゃん、帰るよ」と、呟くとうっすらと目を開け、キスをせがんだ。

私は優しくキスをして、「また明日も来るからね」と言い残し帰った。


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