赤い糸
あきちゃんとは、仲がよかったけど、あきちゃんにも新しい仲間が出来て、話す機会は少なくなって行った。
かといって、私と仲が悪くなった訳ではなく、廊下ですれ違うと、立ち止まり長話をしていた。
学校は楽しかったが、放課後は更に楽しかった。
毎日のようにしんちゃんと遊んだ。
特にどこかに行くわけでは無いが、公園や、家の前で、ただ、喋るだけ。
たまに、しんちゃんの家に行くけど、滅多に親には会わない。
共働きなのだ。
でも、たまに出くわすこともあり、何故かしんちゃんのお母さんに気に入られた。
お母さんは、私のことをまるちゃんと呼んだ。
「何でまるちゃんなん?」
私は聞いた。
「だって、ひろちゃん顔まるいやん。だから」
私は笑った。
まるちゃんと呼ばれることが、嬉しかったからだ。
名字で呼ばれるより、親近感があって、嬉しかった。