甘いキスをわたしに堕として。
っやだ!
こんなの…嫌だ。


ぎゅっと目を閉じ、その行為に耐えようとする。




_ツーと一筋の涙が地面を濡らしたとき。




「ぐはっ」



今まで感じていたはずの体重が、一瞬で軽くなった。



おそるおそる目を開けると、男たちは全員地面に倒れていて、代わりに1人の男が颯爽と立っていた。



だれ、?


まるで1匹のオオカミのよう。



彼の周りを漂う空気は黒くて重く、まるでその気配に吸い込まれそうになるほど。



キラッと光る右耳のシルバーのピアスが私の目に入る。
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