甘いキスをわたしに堕として。
「藍っ!」



部屋を出る直前、朱里の叫ぶ声が聞こえた気がするけど、おかまいなしに飛び出した。




下へ降りると、下っ端くんたちはキョトンと目をまん丸にしていて。



だけど、そんなことにも目を向けずに倉庫から出た。





まさかー…




私は忘れていた。





【囚われの街】がどんなに恐ろしくて、
危険かを__。





もう少し早く、早く気がつけていたら




あんなことは知らずに済んだかもしれないのに。


< 193 / 455 >

この作品をシェア

pagetop