甘いキスをわたしに堕として。
1st
決心する日まで
⚪︎1年前
シンとした部屋で鳴り響いた固定電話は悲報の嵐だった。
〜数時間前〜
「じゃー行ってくる。1人で平気だよな?」
玄関で靴を履きながらそう言ったのは、私の兄の春樹_通称「春兄」
両親は私が生まれてすぐに離婚し、私たちは父方の方に預かられた。
そこでは、ひどい虐待を受ける日々が待っていた。
特に春兄に対してはわたしの何十倍も痛々しい行為をされ、今でもその傷は癒えていない。
しかし、近所の人がそのことに気づいて「189」を押して通報したの。
そしたら父は捕まって、私たちは児童施設に入れられた。