甘いキスをわたしに堕として。
1st

決心する日まで




⚪︎1年前



シンとした部屋で鳴り響いた固定電話は悲報の嵐だった。




〜数時間前〜




「じゃー行ってくる。1人で平気だよな?」



玄関で靴を履きながらそう言ったのは、私の兄の春樹_通称「春兄」



両親は私が生まれてすぐに離婚し、私たちは父方の方に預かられた。



そこでは、ひどい虐待を受ける日々が待っていた。




特に春兄に対してはわたしの何十倍も痛々しい行為をされ、今でもその傷は癒えていない。



しかし、近所の人がそのことに気づいて「189」を押して通報したの。



そしたら父は捕まって、私たちは児童施設に入れられた。
< 2 / 455 >

この作品をシェア

pagetop