甘いキスをわたしに堕として。
しばらくした後ー…
公園にやってきた私と奏多くん。
ベンチに腰をかけ、そっと息を吐く。
「良かったよ、藍ちゃんが無事で」
相変わらずサラサラなブラウンの髪。
いかにもジェントルマンっていう感じ。
なにもかもが変わっていなかった。
「うん…ありがとう、助けてくれて」
「全然。むしろもっと頼ってくれてもいいんだよ?藍ちゃんが呼べば俺たちはすぐに駆けつけるし、むしろそうしてほしい」
そういった奏多は真剣な表情で、嘘を言っているようには見えなかった。
私があんなにもみんなのことを避けていたのに、そうしてほしいって…。