甘いキスをわたしに堕として。
「朱里が荒れてるんだ」



「…朱里が?」



突然言われたことに頭が整理できなかった。


いつも先陣を切って頂点に立つ朱里が、荒れているらしい。



私がいなくなった日からずっとピリついていて、抗戦どころじゃないみたい。



たぶんだけど…
わたしが戻ったら抗戦は始まるし、それ以上のことだってすると思う。



あくまで私の想像だけど。



「うん。でもなんで、紅蓮を離れたの?別に責めないけど、朱里があんな感じだと俺たちもさすがにカバーできないんだよ」



溜め息混じりに吐いた言葉。



奏多くんがそこまでいうことだから決して簡単なことじゃないのは分かる。
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