甘いキスをわたしに堕として。
サッと寄ってきたのは朱里だった。



「っ」



朱里が、怪我をしている手とは反対の手を引いていく。


朱里に久しぶりに触れた。



温かくて大きな手。

それが私の手を包む。



バーの奥にある水場に到着。



「指、痛い?結構深いよなコレ」



「っちょ!」



ペロっと私の指を舐める。


〜っくすぐったい。


「ん、血は止まったけど一応洗っとけよ」



ジャー…っと流れる水に指をあて、傷口を冷やす。
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