甘いキスをわたしに堕として。
「ここは危ねぇから他の場所行くぞ。俺ので良いんならそれで行くけど」



俺のイコール、バイクってこと?


なにもかもが久々だけどこれで最後になるんだもんね。



お願い…
これで最後にするから、今回だけは見逃して。


そう、心の中で呟く。


じゃないとみんなが危険な目に遭うから。



奏多くんには「ちょっと外出るから」とだけ伝え、私と朱里はバイクに乗ってバーを後にした。



正面から吹いてくる風が冷たい。

冬だから当たり前だけど。



ヘルメットのおかげであまり顔は痛くなくて、こうやって朱里の腰に腕をまわすことも最後だと思うと寂しくなった。
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