甘いキスをわたしに堕として。
だけど、高校生になってからは自分達で家に住むようになり、今ではお兄ちゃんと2人暮らし。



そこそこ料理は出来る方だし、特別不満なことはない。




「お留守番くらい1人でもできるよっ」



むぅ、と頬を膨らませる。



「ははっだよな。よし、じゃあ飯は先に食ってろよ。知らない人からピンポン来ても出ないこと、わかった?」



「分かった分かった。もう!はやくいってよ」



グイっとお兄ちゃんの背中を押すように、ドアの外へ押し出す。



手をヒラヒラと降り、ニカッと笑顔で扉を閉めたお兄ちゃん。



まさかこれが…最後になるなんて




このときの私は予想もしていなかった。

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