甘いキスをわたしに堕として。
ジッと見つめすぎていたのか、交わる視線。


私に気づくと止まることなく真っ直ぐこっちへ向かってくる。



「ちょ、どうしよう…!」


このままだと鉢合わせちゃうよ!



気持ちは焦る一方、だんだんと縮む距離。


「助けてもらったんだろ?ついでにお礼してくればいーんじゃん」


「そーだよ!朱里くんたち来なかったらあたしたち危なかったんだから!」


なんて、かくまうどころか勧めてくる。



ー…そしてその時は来てしまった。



ピタっと止まる長い脚。



…っ
なんだか私まで息を止めちゃったよ。
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