甘いキスをわたしに堕として。
「…藍、話があんだけど。今日の夜に迎えいってい?」



恐る恐る朱里の方へ顔を向けると、真剣な顔つきだった。


「え…それを言いに?」



それだけを言いにわざわざ学校に来たの?



「ああ。じゃねーと電話とかだったら出ないだろ?だからこうして来たってわけ」



……たしかに。
電話とかだったら出ないかも。


やっぱり朱里にはなんでもお見通しなんだ。



「分かった。じゃあ…また後でね」



そういうと颯爽と帰っていった。


♢♢


そしてやってきた夜。


「乗れ」


朱里からメッセージが送られて、玄関を開けると約束通りいた。


「?どこにいくつもり?」
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