甘いキスをわたしに堕として。
「いーから早く」


否応なしに私を抱き上げてバイクに乗せる。



そんな何気ない仕草にもいちいち動揺してしまう。



すぐ近くに朱里の大きな背中。

久々に触れた温かい体温。



どれもが新鮮だった。



相変わらず朱里の運転するバイクは気持ちよくて。



特に何も話すことなくついた場所。




__ここ、どこ??

着いたのは来たことのない場所だった。



目の前には大きなビルのような建物が私たちを見下ろして建っている。



「ほら、行くぞ」


優しく手を取りそのまま中へと入っていく。
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