甘いキスをわたしに堕として。
「え…?」


「たしかに美玲とは中学のころ付き合った。けどそれはお前の彼氏から守るための策略だろ?彼氏のフリってことでやっただけ」



美玲が彼氏からDVを受けていることが発覚し、俺に彼氏になるように頼んできたことがあった。


もちろん、期間限定で。


大切な幼馴染だったし毎日のように痣が増えていくのが目に見えたから〝彼氏〟として美玲のそばにいた。



まぁ他の奴らにはそんな複雑なこと言えねーから表上は彼氏になってたんだろうけど。



それと同時期に美玲が柄の悪い不良たちに襲われた場面にも遭遇した。



だけど俺は守れなかった。


美玲の肌に傷跡を残してしまったのはその時期。



だから俺はもっと強くなるためにこの街に入ったことは事実。


だけど、美玲を本気で好きになったことはない。
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