甘いキスをわたしに堕として。
朱里は祖父に近寄ると、何かを探している様子。
「なに探してるの??」
「…」
そして何かを手にすると私に近づいて、手に付けられている拘束道具を外してくれた。
なんだか解放されたような気分。
「あ、ありがとう」
「これ、痣になるかもな。ごめん俺のせいで」
朱里の言う通り、私の両手首にはしっかりと跡が残っている。
「そんなこと言わないで」
ダメだよ。
せっかくこうして会えたのに、そんなこと言っちゃ。