甘いキスをわたしに堕として。

朱里は祖父に近寄ると、何かを探している様子。



「なに探してるの??」



「…」



そして何かを手にすると私に近づいて、手に付けられている拘束道具を外してくれた。


なんだか解放されたような気分。



「あ、ありがとう」



「これ、痣になるかもな。ごめん俺のせいで」



朱里の言う通り、私の両手首にはしっかりと跡が残っている。



「そんなこと言わないで」



ダメだよ。
せっかくこうして会えたのに、そんなこと言っちゃ。
< 438 / 455 >

この作品をシェア

pagetop