甘いキスをわたしに堕として。
「…っ」


「いーから。用があるんだったら言えよ」




この状態でいうの…無駄に緊張するんですけど。



たぶん、いまの私の顔は真っ赤。



朱里の上に私が乗っているような体勢で、あと数センチ動いたらキスできちゃいそうな距離だから。



「洋服…置いといてくれたの朱里だよね?」




「あー分かった?ってか、やっぱりデカイな俺の」




わたしの手はもはや袖が長くて見えてなくて、ダボダボ。



「あったかいよ。ありがとう」



ニコっと笑う。



すると、少し驚いたように瞳を見開いて、途端にパッと顔を逸らす。
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