甘いキスをわたしに堕として。
「…もうここには来んな。お前が居ていい場所じゃない」
「……うん」
分かってたけど、改めて言われるとちょっとだけしんどいなぁ。
わたしはここに居ちゃいけないのは当たり前ことだし、〝住民〟でもないからいれないのが現実。
だから、きっと朱里はあえてキツく言ってくれてるんだと思う。
だけど_
「藍」
名前を呼ばれて、パッと朱里の方を向く。
ふわっ
朱里の大きくて、温かい手がわたしの頭を包む。
「ー…お前に出会えて良かった」