再会した幼馴染に溺愛されています。
運命?の再会
──私は今日幼馴染にキスをされた。
──ファーストキスだった。
────
「秋穂、知ってる? 今日から転校生が来るって話」
いつもと変わらないような朝の教室。
始業開始前という事もありクラスメイトは皆着席をする中、隣の席に座る唯一の親友である舞がこちらに顔を向けて声をかける。
「うん、噂で聞いてた程度だけど……」
先生がまだ来ないという事もあり周りはガヤガヤと騒がしい。
私は特に目立つような生徒じゃないし、恥ずかしいから小声で舞にそう返した。
転校生かぁ……
どんな人だろう?
女子なら私と話が合う人が良いし……男子だったらどうだろ。
私も年頃だし恋愛に興味はあるけど、私を好きになる人なんていないよなあ。
「秋穂? 一人でブツブツ言ってどうしたのさ!」
舞の言葉でハッとなり「何でもない」と返したところで先生が教室に姿を見せる。
騒いでたクラスメイトたちは渋々ではあるけど静かになった。
私はこういう静かな空間の方が好き。
なんだか落ち着くから。
< 1 / 224 >