再会した幼馴染に溺愛されています。

画面には冬馬とのツーショット。


この頃はすごく楽しかったなあ。
毎日学校に行くのも凄く楽しみで……。


名残惜しいけど、私は無気力に削除のボタンを押した。


「さよなら」


今度こそ私はそう呟くと、冬馬関連のものが削がれたスマホを放り投げて天井を見つめる。


でも何故かチラチラとスマホを見てしまう。
また連絡が来るんじゃないかとか。


そんな事を思ってたらスマホが着信音を鳴らしつつ震える。


「なーんだ……」


私はある意味で安心したのかも、画面には井出くんの名前が出ている。


そういえば教えたんだっけ、今もし冬馬から電話が来ても話出来る自信がないから有難いかも。


井出くんとなら……何とか話せそうだ。


私は迷いつつも電話に出る事にした。


「おう水野出てくれたか……大丈夫かよ?いや……そんなわけねーよな、ごめん。」


「今日はロッカーで冷たくしてこっちこそごめん。井出くんなりに気を使ってくれたんだよね……」


井出くんて今まで最低な人だとしか思わなかったけど、根っからの悪人では無いのかも。
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