再会した幼馴染に溺愛されています。

「今日さ、機会があったから滝口に聞いたんだよ……あの女の子との事。」


「……そっか。」


冬馬の話題が出ると私の心は冬景色になる。
でも私が知り得ない事もあるかもしれない、それにもうこれ以上の傷とかどうでもいいから、聞いた方が良いのかも。


「聞きたくないのは分かるけど水野のためだと思ってさ……まだ付き合ってないけど彼女の事、好きだってさ。愛してるって。」


「……だよね。素敵な人だもんね。そうなるのも仕方ないよ……」


だめ……。
電話してるんだから、声震えないでよ私。
また涙なんか流さないでよ!!


「気にしないで泣いていいんだぞ。溜め込むよりマシだから。」


「うん……私本気で冬馬の事好きでっ……あんなこと信じられなかった……けどね……もうダメなんだって分かったら……涙が……止まらないのっ」


あんなに敬遠してた井出くんに私は本音をぶちまけて泣いている。


井出くんはいつもの、おちゃらけた様子なんか見せずに真剣に聞いてくれている。





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