再会した幼馴染に溺愛されています。

今日の寂しさもあってか結局、井出くんとは1時間近くも話してしまった。


苦手なタイプな事に間違いは無いんだけど、あれはあれで落ち込んだ時に元気を分けてくれそうで悪く無いかも。


好きとかそういう感情以前に楽しそうというのはある、現にあの私が時間を忘れて話し込んでいる。


井出くんのコミュ力には驚かされるよ……。


かといって冬馬の事が整理ついたわけでもないし、気を逸らしただけだよね。


電話を切ると後は果てしない現実の虚無感……辛いなあ。


学校に行きづらい。


今度こそ冬馬にどんな顔すれば良いのか凄く悩むよ。


やっぱりあの娘が羨ましい。


今頃はご飯も一緒に済ませて……あの笑顔を……冬馬を独り占めしてるんだろうなあ。


なんで私じゃないんだろ。


そんな事言った所で現実が変わるわけじゃないから無意味なんだけどね。


……夏菜にも謝らないと。


あんなに心配してくれたのに冷たくしちゃったから。


私は立ち上がり夏菜の部屋へと向かった。
< 106 / 224 >

この作品をシェア

pagetop