再会した幼馴染に溺愛されています。
夏菜の部屋を出て自室のベットに横たわると……やっぱり一人の時は悲しさが込み上げる。
誰かと話してないと落ち着かない、かといって話す気分じゃないという不思議な感覚。
あの娘は冬馬を独り占めしてるんだ……。
てっきり私だけが冬馬を独占してると思ってただけに、思い出せば出すほど心が苦しくなる。
明日からの学校を何事もなく過ごせるか不安だった。
あんな光景を見た後に冬馬の姿が教室にあることに耐えられないと思う。
頼りの夏菜は当然学校にはいないし、舞や井出くんも私に付きっきりというわけにはいかない……。
独りぼっちの戦いだった。
教室の風景や制服、冬馬に関する些細な事ですら目に入るだけで悲しくなるよ。
世の中の失恋を経験した学生はみんなこれを乗り越えてるのだと思うと本当にすごいと思う……。
私には無理そうだよ……。
でもこんな事思ったところで絶対に明日はやって来る……。
親に心配かけるわけにもいかないし、学校には行くしかない。
今はただ現実から目を背けて眠るしかなかった。
夢の世界なら何しても自由でしょ?
だからせめて夢の中だけでも……。