再会した幼馴染に溺愛されています。

「水野はどうせ真面目だから家に帰りづらいんだろ?」


「うっ……鋭いね。そういうことだよ。」


意外と読みが深い……。
ただチャラけてるわけじゃないのね。


「ついて来いよ!夕方くらいまで時間潰しに付き合うからさ」


「い、いや……それはちょっと。」


連日の事で少し見直したけど、まだ井出くんに心開けてるわけじゃないし……少し怖いなあ。


「大丈夫だよ、安心しろよ。色々暇潰せる場所知ってるから来な」


「う……うん。」


真っ直ぐ見つめる井出くんの瞳と学校で聞いたことない優しい声に思わず私は同意して歩き出してしまう。


一瞬冬馬が思い浮かぶけど……申し訳ないとかそんな事思う必要ないよね。


向こうはもっとすごい事してるだろうから。


「水野って猫好きなんだろ?」


「えっ、好きだけど何で分かるの?」


井出くんとそんな話した事ないのに。


「水野の文房具とかスマホケースとか猫グッズばっかだから見りゃ分かるわ!」


さり気なく好みを把握してリードするなんて……やっぱり慣れてるというか任せられるというか。


そんなこんなで謎の組み合わせの暇つぶし?が始まる。
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