再会した幼馴染に溺愛されています。
「おい水野、そろそろ良い時間じゃねーか?」
「えっ?あ……ほんとだ!!てかもうこんな時間なの!?」
ずーっと猫と戯れっぱなしの私は井出くんの言葉で時計に目をやるともう午後3時を過ぎている。
昼くらいに来たからかなりの時間が経過してる事に気づく。
「そろそろ出て帰ればいつもと違和感のない時間だろ?」
「そうだね、ありがとう井出くん……」
本来なら傷を負って途方に暮れてるはずだったのに、今少しでも笑えている。
井出くんには感謝してもしきれない。
「せめて途中までは送らせてくれよ、もうそこまで警戒してねーだろ?」
「うん……一人よりずっといい。」
井出くんは思い通りと言わんばかりの顔でそう尋ねてくる。
数日前の嫌な印象はもうほとんどなく、私も二つ返事を返す。
「ちなみにさっきトイレ行くついでに会計は済ましておいたからこのまま出ようぜ」
「ちょっと、私もお金払うから!!」
私は財布を出そうとするけど制止される。
井出くんは「女が出すもんじゃねえ」と言って笑っている。
彼の真の姿は男らしく優しい男子でした。