再会した幼馴染に溺愛されています。
「へへっ……やっぱそうだよな。それが聞けただけでも俺は幸せだぜ!」
「う、うん……まして井出くんとはまだ仲良くなり始めたところだし……」
今まで全然気にも留めてなかったんだから、突然井出くんを好きになるのは無理がある。
これから徐々になら充分にあり得るかもしれないのだけど……。
「水野が滝口の話する時本当に嬉しそうな顔するのな。その笑顔、壊させない。」
井出くんはそう言うと人差し指をこっちに向けて謎のポーズをビシッと決めている。
本気なのかウケ狙いなのか……。
「でもね、冬馬には他に好きな人いるでしょ。だからもういいんだ……」
「水野のあいつを想う気持ちはよく分かった。……待ってろ。」
どういう意味だろう。
でもそう言いながら真剣に私を見つめる井出くんはものすごく頼りになる気がした。
「俺……帰り道こっちだから、じゃーな!」
「え?あ、うん……気をつけて……」
本当に忙しい人だなあ……。
そんな走るほど急いでるのかな?だとしたら申し訳ないなあ。
「水野、多分いや絶対良いことあるからあまり落ち込むなよ!!」
何か考えでもあるのかな?
突然振り向いてそう言ってまた駆け出す井出くんは無駄にカッコよく見えた。