再会した幼馴染に溺愛されています。
「滝口くん、もう行くの?……水野さんのとこに。」
「そうだな……とにかく早く誤解を解いて謝りたいんだ。」
とは言えどうしようか。
アキの家に押しかけても今の精神状態では拒絶されるのじゃないか。
「本当に好きなんだね……行ってあげて。あとごめんなさい。」
「気にするな、どうとでもなる。」
俺は頭を下げる斉藤にそう言うと屋上を後にする。
幸いまだ時間はある、とりあえずここにいては始まらない。
「……やっぱり電話は繋がらないか。」
俺は走りつつもスマホを操作する。
危険な行為だからしたくはないが、それどころじゃない。
虚しくも「プー、プー」という機会音が聞こえると同時に切れる。
恐らく着信拒否をされてるのだろう。
少し困ったな……。
LINEも念のため送っては見たがここ数日は既読が付いてない、消されてるか。
連絡の手段が無くなっては呼び出す事も難しいし、明日の登校時間まで待ってられない。
俺は「今」に全てを賭けたい。