再会した幼馴染に溺愛されています。
私は部屋着から少しラフな格好に素早く着替えて鏡の前に立つ。
んー……このコーデで良いよね。
いまからガッツリ決める時間もないし、髪型も学校仕様のままだし。
「お母さん、ちょっと近所に買い物行ってくるね!」
「え?夕飯までには帰りなさいよ!」
私は玄関で靴を履きながらキッチンに呼びかけるとエプロン姿の母が顔を出して答える。
あまり嘘はつきたくないけど男の子に会いに行くなんて言えないから……。
母に私は「うん!」とだけ返事をして玄関を飛び出した。
夕飯まで大体1時間くらいしかないから早めに済ませないと。
帰宅後にこうやって家から出るのはいつ振りだろう……。
この時間だと見慣れた近所の景色も違って見えて少し楽しいかも。
「中央公園……はこっち!」
私は看板の矢印に従って足を早める。
こんなの見なくても場所はハッキリ記憶してるけどね。
小学生の時に冬馬と頻繁に遊び駆け回ってた公園だから思い出深いんだ。
ってまた冬馬のこと……
私は自分で頭をコツンとする。