再会した幼馴染に溺愛されています。
「相変わらず……純粋ですぐに人が言ったこと信じちまうんだなアキは。」
「また変なこと言ってる……。悪いけど井出くんに会いにきたんだよ。」
私もわざと井出くんの名前を出して突き放そうとする。
いや、突き放さないとダメだよね。
「アキ……」
冬馬がまた私の名前を呼ぶと同時に、私は両腕に包まれ胸に押さえられた。
あったかくて安心する……。じゃなくて!!
「なにしてんの……またこうやって私で遊ぶ気?酷いよ冬馬!!」
「アキが気にしてる女は彼女なんかじゃない。みんなが誤解してるだけ。」
そんな事信じられるわけない。
口では何とでも言えるし、この状況なら誰だってそういう嘘をつくよ。
「嘘だよ!二人で街に行った事も知ってるし、放課後出かける約束してるのも直接見たんだから!!」
シーンと静まり返る公園に私の声が響く。
「俺が……俺が本当に好きなのはアキだけなんだよ!」
また耳元で……耳弱いの知ってるくせに。
ダメと分かっていても冬馬の心地よさに甘えて振り払えない私も最低だ。