再会した幼馴染に溺愛されています。
「そんな……嘘だよ。あの娘の方が美人だし優しそうで……私じゃ勝てないよ。」
「バーカ、そんなもの比べるんじゃねえよ。俺はもとよりアキにしか興味ない。」
なんで……こんなに卑怯なの。
突き放してもう関わりたくないはずだったのに、なんでこんなに涙が出るの。
「……アキのこともう泣かせないって決めたんだけどな」
「誰のせいよ……本当にあの娘は彼女じゃないの?嘘だったら私辛くてもう立ち直れないよ。」
あの娘が冬馬の彼女じゃないということに期待している自分がいる。
だけどもしそれも嘘だとしたら私はもう苦しみの淵に落ちるよ。
「ああ。本当にあいつは従姉妹だ、俺たちはお互い面倒ごとを回避するために身内だということは内緒にしてきたんだ。」
冬馬の私を抱きしめる力が増していく。
苦しいけど嬉しい……。
「だがそれで何人を悲しませたか……些細な理由で隠してた事、後悔している。」
「私も悲しんだ……。本当にキツくて。」
言葉で表せないくらいのダメージを負ったのは事実だよ。
でもその悲しみを癒せるのは……冬馬だけなんだよね。きっと。