再会した幼馴染に溺愛されています。
「冬馬どこにいるんだろ……。」
私は入り口付近に佇んで見渡すけど……この人数から探すのは難しい。
もっと分かりやすい場所で集合すれば良かったと少し後悔。
「お姉さん、俺らと一緒に花火見ない?」
「屋台で何か奢るから行こうよ!」
私がキョロキョロとしてると声をかけられる。
その声に目を向けるとガラの悪い同世代らしき二人組の男子が私を見ていた。
「え!?私のこと!?」
これってナンパってやつ……?
現実でもあるんだ……。
初めての経験と恐怖で私はうまく声が出せないでいる。
どうしよう……。
「そうそう。君すごく可愛いなって思ってさ、仲良くしよーよ!」
「てかどこ高?LINE交換しよっ!」
焦ってる私をよそに彼らはどんどん話を進める。
勝手に進めないでほしい……。
やっぱりこういう格好の人はすごく苦手だと実感する。
井出くんのパターンはかなりの例外なんだなあ……。
「あ、あの私彼氏いるし……今も彼氏待ちなんでちょっとそういうのは……。」
でもハッキリ言わないとダメだよね。
私は勇気を振り絞ってそう言い切った。