再会した幼馴染に溺愛されています。

「まず俺らが末長く続いていくように願いを込めて着火!!」


井出くんがしゃがみ込んで火をつけると彼女さんも寄り添ってそれを見つめる。


でも想い虚しくその直後に四人が声を合わせた。


「あっ!!」


井出くんの火は無惨にも大粒でポトっと地面に落ちてすぐに燃え尽きた。


「井出……絵に描いたようなオチだな。」


「うん……今どきこんな展開って、井出くんはやっぱり才能あるよ。」


彼女さんには可哀想だけど、笑うくらいには結構面白かった。


やっぱり井出くんは盛り上げ役としての華々しい才能が溢れている。


「……あの屋台オヤジ……不良品よこしたな。滝口!次はお前がやれよ!」


「そんなわけねーだろ……。よし、俺が見本を見せてやろう。」


意外にも冬馬はノリノリで受け取る。
それを私たちが取り囲むようにして見守る中、『消えませんように』の思いが湧いてくる。


彼氏と友人カップルに囲まれてこんな事で盛り上がるなんて、青春って感じがして新鮮だしものすごく楽しいよ。
< 173 / 224 >

この作品をシェア

pagetop