再会した幼馴染に溺愛されています。
「ゲッ!滝口お前生意気だぞ!」
「ほらよく見ろ、俺とアキは永遠に一緒になれるみたいだ。」
井出くんがいじけながらヤジを飛ばす中、冬馬のもつ線香花火は静かに……それでいて美しく火花を散らせた。
燃え尽きるまでは凄く長く感じる。
最後まで落ちないでくれて良かった。
私はこんな下らない事も信じてしまうから。
「冬馬……良かった。私たちは終わらないみたいだね!」
「俺らがすぐ終わるみたいな空気にすんのやめろよ……」
流石の井出くんも少し苦笑いを見せる。
でも二人ならきっと上手くいくと思うから、私と冬馬も応援してる。
「さあ……そろそろお開きだな。俺らはともかく女子たちの親御さんは心配するだろう。」
「ゲーッ!もう10時すぎてるのかよ!俺も彼女を送ってくるよ!じゃーな!」
時間をすっかり忘れてたみたいで井出くんは彼女さんの手を握って小走りで手を振った。
彼女さんも忙しい井出くんに振り回されつつも楽しそうな笑顔を最後まで見せていたのが印象的。
「あいつは毎度の如く流れ星みたいに消えていくな……。行くぞ、アキ。」
そして冬馬の私にしか見せない表情。
向けられた手を取り、私も歩き出す。