再会した幼馴染に溺愛されています。
あの人とのタッグ
あんなに暑くてセミがうるさい夏も瞬く間に過ぎ去り、私は今コートとマフラーに身を包んで吐息で冷え切った手を暖めている。
冷たい風が突き刺さり、空からは雪がチラついてすっかり冬景色だ。
「あっ!美咲さーん!こっちこっち!」
私は一人ショッピングモールで目当ての人を見つけると声を出して手を振る。
「おー秋穂っち!ごめん待たせたみたいだね。」
私は冬馬の従姉妹である美咲さんと約束をしていたのだった。
美咲さんは私を気に入ってくれたみたいで秋穂っちと呼んでくれている。
謎のネーミングセンスだけど……。
「全然待ってないですよ!それに私から誘ったんだから気にしないで下さい。」
「相変わらず優しいんだから。それじゃ行こっか?」
その言葉に私は「はいっ!」と元気よく返し美咲さんの隣を歩く。
やっぱり隣に並ぶと自信を失う。
美咲さんは私より頭一つくらい背が高くて美人な人だ。
何度か私服の姿も見てるけど、すごく似合っている。