再会した幼馴染に溺愛されています。
先生の後に続いて転校生とおぼしき生徒が教室に入ってくる。
男子だ……しかもかなりイケメン。
身長も高いし、モテるだろうなあ。
「やばくなーい?」
「めっちゃイケメンじゃん!」
早速派手な女子達が囃し立てている。
私よりも彼女達と仲良くなるんだろうなあ……。
私は周りをよそにため息をつく。
「滝口 冬馬です……よろしく」
「えっ!?」
あ……つい大っきい声上げちゃった。
皆の視線を感じる……もう教室から出ていきたい……
「何だ水野ー? 寝ぼけてんのかー?」
先生の言葉にみんなは笑うけど私は余計恥ずかしい。
……だって名前が同じなんだもん。
小学校の時に転校して行った仲良しの男子と。
びっくりしても仕方ないよね。
──初恋の男の子だったんだもん。