再会した幼馴染に溺愛されています。
朝からあーでもないこーでもないと家族総出で掃除や家具の配置に取り掛かってる中「ピンポーン」と言う音に皆は現実に引き戻される。
「あら、もう来たの!?秋穂、玄関開けてあげなさい!」
「母さん!この髪型おかしくないか?ヒゲの剃り残しは?」
みんなが慌ててドタバタする。
そんな中唯一、夏菜だけが冷静にスマホをポチポチしていた。
私には今心臓の音しか聞こえない。
家族の声よりも「ドクンドクン」という音だけが身体中に響く。
「は、はーい!!」
私は声にならない声を上げながら勢いよく出し扉を開く。
するとそこには最愛の人が立っていた。
いつもどんな時もドキドキさせてくれる冬馬の姿がそこにはあった。
「おう。……結構バタバタしてる様子だったがお邪魔して良いのか?」
「えーと、そこは気にしないで上がってよ!大したおもてなし出来ないけど……」
恥ずかしい事に結構筒抜けだったのね……。
本当に切羽詰まった時の時間の流れは早すぎるよ。