再会した幼馴染に溺愛されています。
「ねえ冬馬、今日はどこに行くの?」
「まずはショッピングモールから攻めようと思ってる」
電車の席に腰を下ろし私が尋ねると冬馬はクールに答える。
ちょうど買いたいものがあったから都合が良かった。
「涼しいし見るだけで楽しいから良いチョイスだね!」
「まあな、それに何だかんだでド定番から始めるのも悪く無いと思ってさ」
冬馬なりに色々考えてくれたのかな。
今日は思い切り楽しまなきゃ。
「あんまりアキのこと電車に乗せたくないんだけどな……」
冬馬がボソッと漏らした言葉を私は聞き逃さなかった。
「え、どうして?」
「お前がもし痴漢されたらとか思うと、絶対に嫌だなって」
私の頭の中で「ボンッ!」という音が聞こえる。
「そんな事されないよ……そこまで混んで無いし……」
「まあどんな状況だってアキのこと守るから関係ないんどけさ」
キンキンに冷房が効いていて、涼しい格好をしてるはずなのに私の身体は熱を持った。
当分冷めないだろうなあ……。