再会した幼馴染に溺愛されています。

「アキ、ちょっとスマホ貸して」


「待ってよ!」


私の返事を聞かないまま冬馬は私のスマホを手に取るとポチポチと操作し始めた。


何してるんだろう……見て面白いものなんて入れてないけど。


「ほら、ずっとこのままにしとけよ」


冬馬が少し恥ずかしそうに返してくるスマホを手に取ると私はまた鼓動が高鳴る。


「もう〜!冬馬ってば……」


そうやって返すのが今の私には精一杯。


スマホの画面にはさっき撮影したプリクラ画像が待ち受けとして表示されてるんだもん。


でもスマホを見る度に冬馬の笑顔が目に入ると思うと自然と私も笑顔になる。


「仕方ないからこのままでいてあげるか……冬馬の頼みなら!」


「バカ言ってんじゃねーよ、俺だって同じだよ」


精一杯の強がりを返したけど、冬馬のスマホにも同じ写真が表示されているのを見て気を失いそうになる。


しっかりしろ私……。


さっきまでの気分の悪さは吹き飛んで幸せな気分になった。


やっぱり来て良かった、楽しいよ。
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