再会した幼馴染に溺愛されています。

「はあ?ちゃんと思い出せよ!俺が引っ越す時の見送りに来たお前に言っただろ?」


冬馬は周りの視線に物ともせずダルそうに頭を掻きながらそう答える。


こんなクールだったっけ?


それよりも……なんのことだろう。


何かあったかな……私は必死に記憶を探る。



あっ!!




────



「冬馬〜!! 引っ越して遠くに行っても忘れないでね……」


「アキは本当に泣き虫だな〜。今日くらい泣くなっつったろ?」


「ほら泣き止めよ。そうだなあ……じゃあもしも次会った時はキスしてやるから!」



────


思い出した!!
数年も前になるけど確かにそんな会話があった気がする!!


「だからって本当にする!?」


「……いや約束は守る主義だし」


確かに冬馬は約束を破ったことがない。


風邪ひいて高熱出してるのに約束って言いながらプールに来た時は驚いた。


ってそうじゃなくて!!


「お前の事ずっと想ってたし、こんな再会したらしたくもなるじゃん」


どんな理屈……でもあの頃とあまり変わってなくて安心した。


背が伸びたのとイケメンになってたのはびっくりしたけどね。


「まあこれからよろしくな」


でもどこか安心する。
あの頃と同じように冬馬は太陽のように輝いている。
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