再会した幼馴染に溺愛されています。
昼時になると俺は毎日校庭の日陰を見つけてはそこで昼食を済ませている。
その後はその場で寝るのが毎日の楽しみの一つでもある。
朝は変な連中に絡まれて疲れたから今日は良い眠りにつけると思った矢先また鬱陶しい声が耳に入る。
「滝口くんいつも一人で食べて寂しくないのー?」
「むしろ気楽だ、俺は一人でいる時間が好きなんでね」
俺は目も合わせずに答える。
昼休みも俺につきまとう気か?
勘弁しろよ……。
「滝口〜お前って水野と付き合ってんのか?」
「またお前かよ……」
ひょこっと姿を見せる井出に対して言う。
こいつ今朝よりも馴れ馴れしく隣に座ってきやがった。
「実は俺さ〜、水野の事が好きなんだよ。お前他の女に行ってくんない?」
ヘラヘラと腹立つ顔を見せながらふざけた事を言う井出に朝の苛立ちが再び現れる。
「実際のとこ滝口くんは付き合ってるの?」
「いや……付き合ってるわけではない」
でも好きだという言葉も出掛かるけど、わざわざこいつらに言う義理はない。