再会した幼馴染に溺愛されています。
「た、滝口くん落ち着いてよ!井出も謝りなさいよ!」
「悪かったよ一人の時間邪魔して……離してくれよ」
井出が言い終わると俺も手を離す。
殴ったりしなくてよかった。
「俺の前で二度と変なこと言うなよ、わかったか?」
「分かったよ……行こうぜお前ら。こいつ少しおかしいんじゃね?」
女の前で良いカッコ出来なかった事に腹が立ったのか、井出は俺を睨みながら視界からフェードアウトしていく。
「滝口くんは一匹狼だからあんなに怒ったんだよ、待ってよ!」
女も井出を追っていく。
早く俺の視界から消えてくれ。
それに一人の時間を邪魔されたから怒ったわけじゃねえよ、あいつら何も分かっていない。
「…………」
ダメだ。寝付けない。
あんな奴ごときに焦る俺じゃ無いはずだけど無性に引っかかる。
アキに……
アキと話したい、顔を見たい。
……アキに会いたい。
俺はその衝動に駆られるとすぐさま立ち上がり走り出した。