再会した幼馴染に溺愛されています。

淡々と授業をこなし私は今一人で自宅を目指している。


「あ〜、暇だなあ」


冬馬は用事があって忙しいみたい。
思えば一人で帰るなんて転校して来る前以来だなあ……。


話相手がいるだけでもあんなに違ったんだね、それが冬馬だから尚更なのかなあ。


私ってば気付くと冬馬の事ばかり……。


やっぱり「好き」なのかな。


「おい、水野!」


「え?なに!?」


聞き慣れた甘い声ではないので冬馬じゃない事は確信したけど、突然私を呼ぶ声に振り向くとそこにはクラスメイトの井出くんが立っていた。


「井出くん……どうしたの?」


「今日珍しく一人なんだろ?途中まで一緒に帰ろうぜ!」


予想外の人物が予想外のセリフを言うんで驚いたよ。


井出くんの事苦手なんだよなあ……。


しょっちゅう先生に反応ばかりしてるし平気でタバコ吸ったり。授業中に騒いだりもしてるの見たし……。


完璧な不良だから……。
一番苦手な人種なのに。
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