再会した幼馴染に溺愛されています。

「いや……申し訳ないからいいよ、通い慣れてる道だし」


「いいからいいから!駅も通り道だろ?俺電車通学だからさ」


やんわりと断ったけどかなりグイグイくるしいつの間にか隣に並んでるよ……。


どうしよう……。


「水野って帰り道遊んだりすんの?良かったらカラオケとか寄ってかね?」


「いや親が心配するしあまり遊ばないで帰ってるよ」


聞かれたことに返すけど、やっぱり生きる世界が違うなあ。


そもそも井出くんと密室で二人なんて考えたくない。


「水野の親って今時カタイんだな〜、俺なんてしょっちゅう朝帰りだぜ!」


家庭の事は人それぞれだし、そんな自慢されても何も響かないよ。


むしろアホなのかなって思っちゃう……ごめん井出くん。


話相手がいれば違うと思ったけど撤回するよ……人によるね。


「なあ水野って滝口の事好きなの?」


「急にそんな事聞かないでよ……」


冷静を装うけど、部屋に土足で上がられた気がして無性にイライラする。


関係ないんだからほっといてよ。
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