再会した幼馴染に溺愛されています。

「あ、あの……冬馬」


読書に集中している冬馬は私が席の目の前に立っても気づいてないみたい。


「アキ……?どうしたんだよ」


冬馬は本を畳んで尋ねてくる。
私からこうやって来るのも珍しいから驚くのも無理もないよね……。


「今日の放課後……一緒に帰らない?」


「言われなくてもアキと帰るつもりだったけど……そんな改まって何かあったのか?」


そんな聞かないでよ〜。
と思いつつも聞くのも仕方ないと自分に言い聞かせる私。


てか教室で安易に話しかけるんじゃなかった、皆の視線が痛いよ……。


でも付き合ったとしたらこんなもんじゃ済まないよね、慣れないと。


「何だよ黙り込んで……まあ分かったよ。放課後楽しみにしとけ」


「うんっ……!ありがとう冬馬。」


教室で滅多に見せない爽やかな顔を見れたから話しかけて良かった。


これで放課後は二人きりになれる、後は勇気を出すだけだね!!
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