再会した幼馴染に溺愛されています。
「アキはここでサボるような奴じゃないだろうし、マジで体調悪いんだなって……」
依然として息を切らしながらそう言ってくれるあたり本当に心配してくれてるみたいで、そこはありがたいのだけど。
「ありがとう……。冬馬、申し訳ないけど早く帰りたいから一人で帰るね」
「いや、もしなんかあったら嫌だから家まで送ってくよ。行こうぜ」
冬馬がそう言いながら手を伸ばしてくるけど、私はつい振り払ってしまった。
「ど、どうしたんだよ……」
驚くのも無理ないよね。
でも私は多分もっとしんどいんだ。
「ごめん……本当に体調悪くてそういう気分にもなれないし……」
「いや、悪い。一応体温とか測ってみたらどうだ」
冬馬はそう言いながら棚を漁って体温計を探し出す。
その必死の優しさをあの女の子にも向けていると思うと無性にイライラしてくる。
考えたくもない。
「いいから!!……私に構わないで」
私は人生で初めて冬馬を突き放すような口調をぶつけると、気まずくなって逃げるように飛び出した。